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2012 Rd.18 アブダビGP採点
1 セバスチャン・ベッテル(3位):9.5
予選Q3後に「正当な理由なく」マシンをピットに戻さずタイム剥奪のペナルティを受ける。サンプリング用の燃料が残っていなかったのだろうが、ハミルトンが同様の行為で重いペナルティを受けているのだからチームは細心の注意を払うべきだった。レッドブルはスポーティング面でのミスを犯す悪癖を直せない。12周目には自身もセーフティカー中のリカルドの減速に慌ててコースオフしながらDRS看板をなぎ倒し、16周目にはコース外からグロジャンをオーバーテイクする不当な動きを見せる。チャンピオンシップがせっぱ詰まると流れを悪くするのは2年前を思い出すが、それでもハイペースを刻み続けて表彰台に舞い戻った精神力の強さは当時には見られなかった。45周目の最終コーナーで縁石いっぱいにコースを使う大胆なドライビングはさすがのコントロール。バトンに対するオーバーテイクはチームメイトに正しい方法を教えているようだった。
2 マーク・ウェバー(リタイア):5.5
チームメイトがチャンピオンシップに追いこまれるのを尻目に、一人勝手に暴れ回る。スタートは恒例の失敗、追走したマルドナードとマッサにアウトから仕掛けて両方に接触した。最後はペレスとグロジャンの事故に巻きこまれてレースを終えた。事故直後にピットが映し出されたが、頭を抱えるクルーがいる一方でベッテルへの追い風となるセーフティカー導入にガッツポーズをしてたしなめられるクルーもいたりでチームの状態をよく表しているようにも見える。
3 ジェンソン・バトン(4位):6.5
予選をうまく乗りこなせなかったものの、決勝は一貫してよいドライバーだった。チャンピオン同士のトップ4バトルで最初にタイヤを失ったが、グリップの足りない状況でベッテルをよく抑え、抜かれるときも紳士に徹した。
4 ルイス・ハミルトン(リタイア):8.0
圧巻のポールポジションからセーフティカーも意に介さずライバルを圧倒していたが、21周目にすべてのパワーが失われる。オンボードカメラ越し、金色のヘルメットが空しく横に振られた。ピットに戻ってクルーと握手する様子は、惜別の思いが伝わってきてすこし寂しい。
5 フェルナンド・アロンソ(2位):9.0
やはりライバルを追いかけるときのドライビングにこそ、彼はもっとも輝いてみえる。全身全霊をかけてコーナーに飛びこんでいく姿は、とても衝動的で、心震えた。オープニングラップで一直線にクリッピングポイントへ切り込んでいくブレーキング、あるいは54周目、ターン20の立ち上がりのカウンターステアは記憶に残る。F1史上に残る優れた敗者の美を感じさせるが、もちろんチャンピオンシップでは勝者でいたい。
6 フェリペ・マッサ(7位):6.0
アロンソほどではないながらよく走ったが、ウェバーとのバトルでスピンに追いこまれたのが最後まで響いた。セーフティカー明けで小林を追ったがDRSで追いつめるには至らず。どちらかといえば被害者のレース。
7 ミハエル・シューマッハ(11位):5.5
ポイント圏内を走行も、直接のライバルであるペレスが引き起こした事故で生じたデブリを拾って余分なピットストップを余儀なくされた。レース自体は良くもなく悪くもなく。あと2戦。
8 ニコ・ロズベルグ(リタイア):4.5
オープニングでグロジャンに引っかけてウイングを破損、その後はターン17で減速したカーティケヤンにほぼフラットアウトのまま追突して宙を舞った。背後に迫るザウバーを振り切るにはレースペースがあまりに心細い。
9 キミ・ライコネン(優勝):9.0
どこまでも今季のライコネンを象徴する初優勝だった。爆発力よりも継続性、コントラストの少ないのっぺりとしたレース運びと、ちょっとした幸運がすべて噛み合った。それでもアロンソを向こうに回して最終盤に見せたベストタイムの応酬は今季もっとも強いインパクトがあった。セーフティカー導入中にタイヤを温めるエンジニアからの無線を苛立ちながら遮った瞬間に感情の発露を感じさせる。不機嫌の似合う男だが、表彰台前の控え室は友情を感じさせて嬉しくなった。懐かしいかな我等の地。
10 ロマン・グロジャン(リタイア):5.0
いつもアクシデントの槍玉に挙げられるが、この日見舞われた2つの接触はともに責任外だった。ペレスに外からかぶせられたのは最悪。まあたまには被害者になっても。
11 ポール・ディ・レスタ(9位):6.5
ヒュルケンベルクに水をあけられるレースが続く中、アクシデントに巻きこまれながらもよく走ってポイントを持ち帰ってきた。とりあえず来季のシートもほぼ決まり、仕切り直して飛躍を目指したい。
12 ニコ・ヒュルケンベルク(リタイア):4.5
オープニングラップで僚機とウイリアムズに挟まれ、セナを押し出しながらフロントサスペンションを壊して短いレースを終える。悪くないとはいわないが、気の毒な位置関係ではあった。
14 小林可夢偉(6位):6.0
予選にはっきりと苦しみブレーキバランスの問題を口にしたが、なるほど決勝ターン8のブレーキングを見ると明らかにスタビリティに難あり。来季のシートが確約されない中で、すばらしいスタートダッシュこそ見せたもののペレスにペースで劣ってしまった。順位は偶然だが、マッサを2.5秒退けたのはよい仕事。
15 セルジオ・ペレス(15位):3.0
マクラーレンとの契約が決まった後というタイミングは偶然ではあろうが、それにしてもデビュー当時を思い出させる粗すぎるドライビングに心証が悪い。ディ・レスタにスペースを与えず、接近して外に逃げたのはまだしも強引にコースに戻ってグロジャンまで潰した。スピンの後に左手を挙げて抗議していたが10秒停止ペナルティが責任の所在を物語る。シチュエーションに応じたドライビングを覚えないとトップチームでは信頼されない。
19 ブルーノ・セナ(8位):7.5
何度もアクシデントに巻きこまれながら粘り強く走り抜いたことがポイントに繋がった。荒れたレースに強みを見せる。
25 シャルル・ピック(リタイア):7.0
渾身の予選アタックでケータハムの間に割ってはいる金星。下位チームのドライバーではもっともスピードと将来性を兼ね備える。2年後に期待。